【獣医師執筆】わんちゃんの涙やけについて

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わんちゃんの涙やけについて

1:涙やけってなに。
「涙やけ」は、何らかの原因で涙が排泄できずに溢れてしまい、涙で濡れた目の下の毛が赤茶色に変色してしまう状態のことを言います。
その様子が、焼けたように見えるため、「涙やけ」と呼ばれるようになりました。医学用語としては、「流涙症(りゅうるいしょう)」とも呼ばれることもあります。
みなさんも、悲しい時や嬉しい時に涙が溢れてしまうことあるのではないでしょうか。その時って、涙は透明ですし、焼けたように後が残ることってそんなに無いですよね。
なぜ、わんちゃんで涙やけができるのでしょうか。
それは、本来無色透明の涙が、溢れた後に涙の成分が酸化するからです。酸化とは、涙に含まれた塩分や油分、タンパク質などの成分と空気中の酸素が結びつくことで起こる状態を言います。
簡単に図式で表すと下記の通りです。


2:原因を分類
涙やけの原因となるのは、涙の量が多い、もしくは涙の排泄がうまくいかない。の2点に絞られます。それぞれの原因となるのは下記の通りです。

2−1:涙の量が異常に多い
・アレルギー性:食べ物のアレルギーや花粉やハウスダストなどの住環境
・まつ毛や異物などによる刺激
-逆さまつ毛
-眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)
-目や鼻周りの構造による目の刺激
・痛みによる涙量の増加
-角膜潰瘍
-緑内障
-ブドウ膜炎
・ストレス性:緊張など、感情で涙を流すイメージは無いですが、涙の分泌量は増すことがわかっています。


2―2:涙の排泄量が少ない
・鼻涙管閉塞(びるいかんへいそく)
・脂質異常:高脂結晶などを持っていたりすると、粘り気のある分泌物で鼻涙管が狭くなったり、詰まったりすることがある。
・鼻涙管の不十分な発達
・異物
・重度の外傷や炎症による瘢痕化※
・腫瘍による圧迫

3:涙やけをほっとくとどうなるのか?
涙やけそのものというよりも、涙による細菌感染を引き起こし、皮膚炎へと発展していきます。この場合は、皮膚炎の治療に加えて、涙やけの根本の原因の同時治療が必要になります。
また、涙やけの原因がアレルギー性のものや、脂質異常などの他の症状に起因する場合には、涙やけを拭き取ったとしても、その症状が悪化していくこともあります。

4:予防と対処法
涙やけの予防としては、物理的なものやそもそもの構造などが原因となるものは予防できるものがあります。
例えば、物理的な刺激による場合は、その原因となる毛やまつ毛などの除去をすることが有効です。
しかしながら、たいていの涙やけの場合はそのほかのものによるため、予防をするということが難しくなってきます。そのため涙やけが多いとされるわんちゃんは、涙やけに対する対処法を把握しておくことが大切でしょう。

4−1対処法1:動物病院にて原因を探ろう
大切なことは、コレをすれば涙やけは治る!という方法はありません。原因のところで記載した通り、さまざまな要因によって涙やけは引き起こされます。まず大切なのは、動物病院において疾患等の可能性をつぶすことが大事です。

動物病院において、涙やけができる要因の鑑別をしてくことが大事です。
4−2対処法2:動物病院において明らかな原因がわからない場合
動物病院にて、外傷などによる目の傷や逆まつげなどの形成異常を排除した後は、アレルギーや脂質異常の可能性を視野に入れて検査するのもいいかもしれません。しかしながら、アレルギー検査は項目件数を増やすことで4万円ほどと高額になる検査となります。
現実的には、アレルギーなどの検査を進めると同時に、家庭でのご飯や住環境を変えてみるのが良いかもしれませんね。

5:涙やけとフードの関係性
ネットなどで調べてみると、添加物と涙やけの可能性が多く見かけられますが、今のところ添加物と涙やけの関連についての研究報告はありません。よって、まずは傷や構造異常などの疾患を動物病院で診察してもらい、その後フードや住居環境を整えるのが順序として良いでしょう。
フードを変更する場合には、まずはおやつから変えてみましょう。
なぜかというと、おやつには高脂肪なものが多く、フードとおやつと1日のトータルのバランスで言うと高脂肪な傾向にあり、涙の成分内の老廃物が多くなり排出しきれていないことが考えられるからです。

フードやおやつを選ぶポイントとしては、下記の2つがポイントです。

主な報告がある成分:オメガ脂肪酸3、オメガ脂肪酸6、ビタミンC、ビタミンEなど

参考値:粗タンパク25%以下、粗脂質15%以下

近年、ドッグフードの種類も多くなり、ネットなどでもいろんな商品が販売されています。フードは、信頼性の高い原材料や体の大きさに適した成分のバランス、量が理想です。
また、水分不足や運動不足、肥満状態では、代謝が悪くなる場合もありますので、しっかりした水分摂取、適した運動も大切な代謝バランスを整える方法です。

6:まとめ
涙やけって、マルチーズやトイプードルといったわんちゃんをはじめとし、多い犬種って言われているからと、放置されている飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
涙やけの裏側には、わんちゃんの代謝のバランスが悪くなっていたり、住環境が適していなかったり、時には、目の傷や構造の異常などの病気が潜んでいることもあります。
原因となるものが多くあるため、原因を探るには労力がかかることも多いかもしれません。動物病院などの専門家をうまく使って、生活環境を見直して、わんちゃんが心地よい飼い主さんとの生活を整えてみてくださいね。

【獣医師監修】

PS,アイリッドラッシュというケア商品がおすすめという耳寄り情報を教えていただきました。
こちらは動物病院でしか販売されていないようですので、獣医師さんにご相談の上正しくご使用ください♪

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ねこのて商会のnekonoteは4つの頭文字とフードに悩んだ時、
愛犬との暮らしをよりよいものにするため、
いつもそばに寄り添える会社でありたいという思いを込めています。

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