【獣医師執筆】犬の「かゆみ」の要因と対処法

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1:犬の「かゆみ」の要因と対処法!皮膚バリアを守ろう
愛犬と日々過ごす中で、足で体を「掻く」行為を見たことがあるのではないでしょうか。この「かゆみ」は、しばらくすると自然に治る場合もありますが、行動が進むと皮膚の炎症が始まり、重症化し治療が長期化する場合があります。
この記事を読むことで、皮膚トラブルの中でも多い「かゆみ」についてポイント、守り方がわかります。

1-1:まずは「かゆみ」に気づき、観察しよう
「かゆみ」は、体を「掻く」だけでなく「舐める」「噛む」「体を擦り付ける」といった行動も「かゆみ」を表す行動です。早期に「かゆみ」に気づいてあげることは、皮膚トラブルを解消するための大事な1歩です。特に確認すべきことは下記の事項です。

・いつからか
・かゆみの頻度
・かゆみの程度

1-2:かゆみの要因はさまざま。決めつけずに可能性を見つけていこう
かゆみの要因は下記が挙げられます。
・心因性
・感染症
・アレルギー性
・腫瘍や代謝性疾患などから来るもの

要因は、単独的に起こるものではなく複雑に絡み合って症状として出てきます。複雑に絡み合うと重症化となることが多いです。

2:かゆみの原因はどんなものがあるの?
2-1:心因性
 私たち人間も、緊張した時やバツが悪い時など、頭を掻いたり、頬を触る「クセ」があります。同じように犬もちょっとしたことで、自分を落ち着かせる行為として「かゆみ」行動をします。重症化することもあり、留守番が続くなどの寂しさや心が不安定な状態が続くと、手足から血が出るほど「舐める」「掻く」ことがあります。
 この場合は、皮膚のかゆみや皮膚の状態を良くするだけでなく、心の状態を正常にするための診療が必要になります。

2-2:感染症
 感染源は、細菌や真菌、寄生虫などが挙げられます。
寄生虫に感染したり、食事アレルギーによる「かゆみ」の行動でさらに皮膚が炎症化し、皮膚に細菌が繁殖し、さらに症状が悪化するといった複雑にいろんな要因に絡んできます。そのほかの要因を考えながら治療する必要があります。

2-3:アレルギー性
 食物アレルギーやアトピー性皮膚炎といったものがあります。これらも単独ではなく、併発していたり、食物アレルギーがアトピー性皮膚炎を悪化させる要因となっていたり、複雑化していることが多く見られます。

2-4:食物アレルギー
食事やおやつに含まれる特定のたんぱく質による過剰反応によって起こるものです。アレルゲンの入った食べ物を食べることで症状が出るため、若い時から症状があったり、1年中症状があります。アレルゲンを特定し、摂取しなければ症状が出ることはありません。
よく勘違いされますが、同じものを食べている場合に食物アレルギーとなることはありません。

2-5:アトピー性皮膚炎
ダニや花粉など環境の中に要因があります。要因を除去すればなくなるものですが、花粉症など季節的に起こることもあるため、「かゆみ」などの症状をできるだけコントロールしていくことが大事です。

2-6:腫瘍や代謝性疾患
 他に症状があれば、その他の疾患を考慮すべきです。皮膚に「かゆみ」以外の症状がないか、飲食やトイレ、行動などに異常がないかも確認しておきましょう!

3:かゆみから守る!皮膚バリアを守ろう
かゆみは、「皮膚バリア」が崩れたことから始まるといっても過言ではありません。
3-1:皮膚バリアの構造
皮膚にはたくさんの機能がありますが、その中でも皮膚バリアは、異物を侵入を防いだり、免疫細胞が含まれ異物が外から入った際に備えて配備されていたり、皮膚から出る汗や皮脂などは抗菌性や抗真菌性などの機能を担います。皮膚の角質層と言われる部位は、何重にも角質細胞が積み上げられており、皮膚バリア機能を果たしています。

3-2:皮膚バリアが崩れる要因
皮膚バリアが崩れる要因としては、乾燥や栄養が摂れていない、紫外線などが挙げられます。
また、それによって外から花粉やハウスダストなどが皮膚の中へと侵入し、かゆみを発生させます。かゆみが起こることで、さらに皮膚バリア構造が崩れて、細菌の繁殖や炎症が進んで重症化していきます。

皮膚バリアを守る
皮膚バリアを守るためには下記のような事項が挙げられます。

3-3:外からのアプローチ
・シャンプーや定期的なブラッシングで皮膚の衛生状態を管理する
・保湿剤や閉塞剤などで、皮膚の保湿・バリア機能をバックアップする
・ブラッシングやマッサージ、入浴などで皮膚の賦活を行う
・洋服などで保護をする
・環境を整備し、皮膚への負担を減らす

3-4:内からのアプローチ
・栄養を十分に、適切に摂ること
・十分に休み、ストレスなどの負荷をかけないこと
・その他疾患の早期発見や健康状態を管理する

特に、栄養の部分ではコレを摂っておけば良いというものではありません。年齢や生活状態、体質によって合うもの、摂るべきものを考えていかなければなりません。また、食物アレルギーの可能性がある場合はそのアレルゲンを摂取しないことも大切です。

最後に
皮膚のかゆみに関しては、要因が複雑であり、予防も多角的に対応していく必要があります。日常的に、健康的な生活を心がけ、必要なスキンケアを行う。症状が出た場合は、動物病院や相談サービスなどを利用して獣医師に確認して、早めに対応していくことがとても大切です。

獣医師執筆
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nurture...育む
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