【獣医師執筆】クッシング症候群のシニアに控えたほうがいいもの
すべての犬と飼い主に心地よい毎日を。
～一緒に生きるよろこびに貢献します～
１：クッシング症候群ってなに？
みなさんはクッシング症候群という病気をしっているでしょうか？
この病気は別名「副腎皮質機能亢進症」といいます。
副腎とは腎臓のすぐそばにある6mm以下の小さな臓器です。腎臓と同じく左右に1つずつ・計2つあります。
小さいながらも非常に重要な臓器であり、体の機能を調節するための複数のホルモンを分泌する働きがあります。
クッシング症候群とはこの副腎が大きくなり、「副腎皮質」という部分からでるホルモンが分泌されすぎてしまう病気です。
２：どんな症状が出るの？
症状としては多飲多尿・腹囲膨満・食欲亢進・皮膚が薄くなるなどがみられます。
若齢での発症は少なく、中高齢の犬での発生率が高いです。
この病気では主に過剰に分泌される「ステロイドホルモン」が問題となります。
ステロイドは皮膚科などで痒み止めとして処方されることが多い薬ですが、痒み・炎症を抑える以外にも様々な機能をもっており、クッシング症候群になると
血液・生体内にも様々な変化がおこります。
そのためクッシング症候群のシニア犬は与えるものにも注意が必要です。
控えた方がいいものは以下の通りです。
３：何を控えたほうがいいの？
３－１：高脂肪な食事
クッシング症候群の犬は体の中の脂質を上手く代謝できない「脂質代謝異常」により高脂血症になっていることが多いです。
高脂血症は血液中のTG(トリグリセリド)とTCHO(総コレステロール)値のどちらか・あるいは両方が高くなる状態です。
犬は人と違い高脂血症による心筋梗塞や動脈硬化のリスクがあがるということはほとんどありません。
しかし、継続的な高脂血症は肝臓への負担や膵炎の危険因子になるといわれています。
高脂血症・クッシング症候群の子は膵炎を併発しやすいです。
膵炎は重症化すると命にもかかわる怖い病気であり、突然発症することが多いです。
高脂肪食は膵臓の負担になりやすいことからクッシング症候群の犬にはなるべく低脂肪食を与えましょう。
３－２：高カロリーの食事・オヤツ
クッシング症候群の子が併発しやすい病気の一つに「糖尿病」があります。
これはステロイドホルモンに血糖値を上げる作用があるためです。
糖尿病は高カロリーな食事などで肥満が起こると発症リスクがさらに高まります。
糖尿病になると厳密な食事/カロリー管理と毎日のインスリン摂取が必要になってきます。治療せずに放置していると命にかかわる状態にもなることがあるので、
特にクッシング症候群の子は太りすぎないように注意しましょう。
３－３：高塩分・高タンパクな食事
クッシング症候群の犬は高血圧になる事が多いです。高血圧が続くと心臓・腎臓などに負担がかかりやすくなります。
特にシニア犬の場合は慢性腎臓病をもっていることも多く、そのような場合、高塩分・高タンパクな食事は腎臓に負担をかけてしまいますので避けましょう。
３－４：水分を十分とらせない
先ほどクッシング症候群の症状に多飲多尿をあげました。
この症状はその名の通り「たくさん水を飲み・たくさん薄い尿をする」というものです。
多くの飼い主さんは「水を多く飲むから、尿がたくさんでる」と思いがちですがクッシングの場合は逆です。
「尿が多くて体の中が水分不足になりやすく、喉が渇いてたくさん水を飲む」のです。
そのためクッシング症候群の犬に水を制限すると脱水状態になることがあります。
常に新鮮な水をたっぷりと与えて、本人が飲みたいだけ飲ませてあげましょう。
この多飲多尿の症状は、飲み薬による治療により適切なホルモンコントロールを行えば落ち着くことが多いです。
４：最後に
クッシング症候群は治ることはなく、主な治療は薬によりホルモンを抑えることになります。発症すると一生つきあっていく疾患であり、
他の病気にもかかりやすくなってしまいます。
膵炎・糖尿病・腎不全などの怖い病気につながらないように、適切な食事を与え予防していきましょう。
獣医師監修
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.
nestle...寄り添う
kindness...やさしさ
nurture...育む
thanks...感謝
.
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いつもそばに寄り添える会社でありたいという思いを込めています。
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みなさんはクッシング症候群という病気をしっているでしょうか？
この病気は別名「副腎皮質機能亢進症」といいます。
副腎とは腎臓のすぐそばにある6mm以下の小さな臓器です。腎臓と同じく左右に1つずつ・計2つあります。
小さいながらも非常に重要な臓器であり、体の機能を調節するための複数のホルモンを分泌する働きがあります。
クッシング症候群とはこの副腎が大きくなり、「副腎皮質」という部分からでるホルモンが分泌されすぎてしまう病気です。
２：どんな症状が出るの？
症状としては多飲多尿・腹囲膨満・食欲亢進・皮膚が薄くなるなどがみられます。
若齢での発症は少なく、中高齢の犬での発生率が高いです。
この病気では主に過剰に分泌される「ステロイドホルモン」が問題となります。
ステロイドは皮膚科などで痒み止めとして処方されることが多い薬ですが、痒み・炎症を抑える以外にも様々な機能をもっており、クッシング症候群になると
血液・生体内にも様々な変化がおこります。
そのためクッシング症候群のシニア犬は与えるものにも注意が必要です。
控えた方がいいものは以下の通りです。
３：何を控えたほうがいいの？
３－１：高脂肪な食事
クッシング症候群の犬は体の中の脂質を上手く代謝できない「脂質代謝異常」により高脂血症になっていることが多いです。
高脂血症は血液中のTG(トリグリセリド)とTCHO(総コレステロール)値のどちらか・あるいは両方が高くなる状態です。
犬は人と違い高脂血症による心筋梗塞や動脈硬化のリスクがあがるということはほとんどありません。
しかし、継続的な高脂血症は肝臓への負担や膵炎の危険因子になるといわれています。
高脂血症・クッシング症候群の子は膵炎を併発しやすいです。
膵炎は重症化すると命にもかかわる怖い病気であり、突然発症することが多いです。
高脂肪食は膵臓の負担になりやすいことからクッシング症候群の犬にはなるべく低脂肪食を与えましょう。
３－２：高カロリーの食事・オヤツ
クッシング症候群の子が併発しやすい病気の一つに「糖尿病」があります。
これはステロイドホルモンに血糖値を上げる作用があるためです。
糖尿病は高カロリーな食事などで肥満が起こると発症リスクがさらに高まります。
糖尿病になると厳密な食事/カロリー管理と毎日のインスリン摂取が必要になってきます。治療せずに放置していると命にかかわる状態にもなることがあるので、
特にクッシング症候群の子は太りすぎないように注意しましょう。
３－３：高塩分・高タンパクな食事
クッシング症候群の犬は高血圧になる事が多いです。高血圧が続くと心臓・腎臓などに負担がかかりやすくなります。
特にシニア犬の場合は慢性腎臓病をもっていることも多く、そのような場合、高塩分・高タンパクな食事は腎臓に負担をかけてしまいますので避けましょう。
３－４：水分を十分とらせない
先ほどクッシング症候群の症状に多飲多尿をあげました。
この症状はその名の通り「たくさん水を飲み・たくさん薄い尿をする」というものです。
多くの飼い主さんは「水を多く飲むから、尿がたくさんでる」と思いがちですがクッシングの場合は逆です。
「尿が多くて体の中が水分不足になりやすく、喉が渇いてたくさん水を飲む」のです。
そのためクッシング症候群の犬に水を制限すると脱水状態になることがあります。
常に新鮮な水をたっぷりと与えて、本人が飲みたいだけ飲ませてあげましょう。
この多飲多尿の症状は、飲み薬による治療により適切なホルモンコントロールを行えば落ち着くことが多いです。
４：最後に
クッシング症候群は治ることはなく、主な治療は薬によりホルモンを抑えることになります。発症すると一生つきあっていく疾患であり、
他の病気にもかかりやすくなってしまいます。
膵炎・糖尿病・腎不全などの怖い病気につながらないように、適切な食事を与え予防していきましょう。
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愛犬との暮らしをよりよいものにするため、
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